警察官とは

 

テレビドラマや映画、そして密着系のドキュメント番組などに欠かせない存在と言えば、警察官という職業の方々ですよね。

ある時は犯罪捜査に走り回り、またある時は安全運転の指導や違反車両の取り締まりに勤しみ、そして時には酔っ払いや不良の保護など、その職務は実に多岐に及ぶものとなっています。

そして誰もが、一度はこの警察官のお世話になった経験(道を尋ねたり、落とし物を届ける等も含め)があるかと思いますが、果たして彼らが「どの様な組織に属し、普段どんな仕事をこなしいるか?」なんてことについては、ご存じでない方も多いのではないでしょうか。

そこで本日は、「警察官とは?仕事内容や階級、組織等について解説致します!」と題して、知られざる警察組織や警察官の業務内容について解説を行ってみたいと思います。

スポンサーリンク

 

そもそも警察って何?

ではまず、「そもそも警察って一体何なんだろう?」という点からはお話を始めることに致しましょう。

警察官と言えば「犯罪者を捕まえる仕事!」というイメージが強いかもしれませんが、冒頭でもお話しした通り、その職務は実は非常に多岐に及んでいます。

「警察24時」などの密着ドキュメント番組を見ているだけでも、酔っ払いや深夜に徘徊する若者の保護から、怪しい人物への職務質問に、張り込みや強制捜査等の仕事に汗を流しておられるようですし、

私たちの日常の中でも、小学校に出向いて交通安全指導を行ったり、落し物の受け取り、道案内にパトロールなど、その枚挙には暇がありません。

実はこうした警察の仕事は、「行政警察活動」「司法警察活動」「公安警察活動」という3種類に大別することが出来ます。

行政警察活動とは、私たち国民の平和と安全を守るためのパトロールなどがこれに該当し、治安の維持がその目的です。

また、行政警察活動と対になるのが司法警察活動であり、既に発生してしまった事件の調査、犯人の逮捕などがこれに当たります。

そして「公安警察活動」は国家転覆を企む過激派やテロリストたちから、社会を守ることを目的としていますから、警察を一言で表現するならば、「国民生活の安全と治安維持を使命とする公的機関」という表現が妥当でしょう。

よって警察には我が国の法律により、犯罪者の逮捕や取り調べ、暴れる犯人を制圧する為の武器の所持などが認めらているのです。

警察組織について

さて、前項にて警察が担う使命についてはご理解頂けたことと思いますが、具体的にはどのような組織編制がなされているのでしょうか。

テレビドラマなどを見ていると「警視庁」「県警」「警視総監」など、様々な用語が出て来て、実に判り辛いですよね。

まず警察組織を理解する上で重要なのが、警察庁・警視庁・他の警察組織(県警・道警・府警)という3種について理解することでしょう。

そこで以下では、この3つの組織について解説を行って行きます。

警察庁

警察庁は内閣府の外局に位置付けられる機関であり、主に警察組織の指導や監督を行うのが仕事となります。

よって、警察庁に所属する者が直接犯人を捜索したり、取り調べなどを行うこはまずありません。

また、警察庁の職員は国家公務員となる上、その採用試験は恐るべき難易度を誇る狭き門となりますから、選りすぐりのエリートのみが席を置くことを許される機関と言えるでしょう。

そして、この警察庁のトップに君臨しているのが警察庁長官というポストになりますから、我が国の警察組織の頂点に立つのが警察庁長官ということになります。(警察組織を家族に例えるなら「お父さん」的な立場)

警視庁

警察庁と非常に似た名称の警視庁ですが、その組織の概要は大きく異なるものです。

警視庁はあくまでも東京都を管轄とする地方警察組織(東京都警ともいうべき存在)であり、本来は県警や府警などと横並びの組織ということになります。(よって職員の多くは地方公務員であり、都内で発生した事件については捜査等も行います)

但し、東京は日本の中心ですし、国会議事堂や各省庁、皇居などの重要施設があるエリアですから、他の地方警察組織からは抜き出た存在と位置付けられており、これまた家族に例えるならば「お母さん」的な立ち位置の組織と言えるでしょう。

なお、警察組織を統括するのはあくまで警察庁とお話しましたので、「警視庁は組織のナンバー2的な存在」と思われてしまいそうですが、日本の警察組織はそう簡単なものではありません。

確かに警察庁は警察組織全体の監督を行っていますが、実際に現場で活躍する警察官たちをまとめているのは、警視庁のトップである警視総監であり、警官の階級としても警視総監がその頂点とされています。

よって、警察庁長官と警視総監の関係はナンバー1とナンバー2といった単純な関係ではなく、実に微妙なパワーバランスの上に成り立っているのです。

そして先程の家族の例えで言えば、かかあ天下の家庭の父と母ともいうべき関係であり、実際に組織を仕切っているのは母親(警視総監)であるが、家族(警察組織)の重要な局面などではお父さん(警察庁長官)にお伺いを立てたりしながら、切り盛りを行うという図式になっています。

この様に警察庁と密接な関係にある警視庁となりますから、出向という形で警察庁の職員が職務に当たることも珍しい話ではなく、こうした出向者のことを警察内では「キャリア組」なんて呼び方をしているのです。

他の警察組織(県警・道警・府警)

そして最後にご紹介するのが、神奈川県警、大阪府警、北海道警などの地方の警察組織となります。

警察庁がお父さんで、警視庁がお母さんであるならば、これらの組織は「子供たち」とも言うべき存在であり、組織を構成する職員の大多数は地方公務員です。

但し、所属長レベルの職員(階級的には警視以上)である署長や副署長、管理官などは国家公務員として扱われることになりますから、地方警察組織でもトップクラスに地方公務員は存在しないことになるでしょう。(警視庁も同様)

なお、警視庁と同様に地方警察組織にも警察庁からの出向者(キャリア組)が席を置いていることも珍しくありません。

スポンサーリンク

 

警察官の階級

さてここまで、警察の組織に関する解説を行って参りましたが、その中で「階級」という言葉がチラホラと出て参りました。

ご存知の方も多いかと思いますが、警察官には階級制度が敷かれており、警察法という法律によって以下の9段階の階級が定められています。

  • 警視総監
  • 警視監
  • 警視長
  • 警視正
  • 警視
  • 警部
  • 警部補
  • 巡査部長
  • 巡査長
  • 巡査

※赤字の階級は国家公務員、黒字が地方公務員。

なお、ここまでの解説をお読みになり、「警察庁長官が見当たらない!」とお思いになられた方も多いかと思いますが、警察庁長官は階級外の地位と位置付けられています。

更に刑事ドラマなどでは「署長」「課長」などの呼び名がなされていますが、これらは階級ではなく役職となりますから、役職は「警察署長」だが、階級は「警視」といった立場の方もおられる訳です。

因みに地方公務員として警察官になられた方(ノンキャリア)は、最も地位の低い「巡査」の階級からスタートとすることとなり、その多くが「警部補」や「警部」まで出世したところで定年を迎えることになります。

一方、国家公務員として採用された者(キャリア)は初めから「警部補」の階級が与えられる上、勤続を重ねればほぼ全員が「警視」となれますし、能力次第では「警視監」「警視長」、果ては警視総監や警察庁長官なんてポストも夢ではないのです。(キャリア組は階級が「警部補」でも国家公務員として扱われます)

但し、キャリアとして採用されるのは毎年僅かな人数(10数名程度)となりますし、歴代警視総監のほぼ全員が東大卒という現実を考えれば、その道程は非常に困難なものであることがご理解頂けるでしょう。

警察官の仕事

続いては、実際の警察官の仕事についてお話をして参りましょう。

ドラマなどを見ていると、警察官の仕事といえば張り込みをしたり、犯人を追いかけたりといったイメージが強いことと思いますが、これらは警察官全体の仕事のほんの一部にしか過ぎません。

そして最も多くの警察官が従事している仕事といえば、それは「交番勤務」に他ならないでしょう。

そこでまずは、交番勤務の警察官の仕事から見て行くことにします。

地方公務員の採用試験に合格し、警察学校を卒業した後に、最初に配属されるのが各地の交番です。(ノンキャリアの場合)

この時点での階級は「巡査」ですが、交番勤務から脱出するには少なくとも「警部補」までは上り詰める必要があるでしょう。(警部補になっても管理職として交番に勤務し続けるケースはあります)

また、ドラマなどでは交番勤務の警察官よりも刑事の方が偉そうにしているシーンをよく見かけますが、刑事の多くは「巡査」や「巡査長」となりますから、階級に差がある訳ではありません。

ただ、交番勤務での活躍が評価されることにより、刑事に抜擢されるのが通常ですから、階級の差ではなく、仕事が出来る人への敬意が「上下関係の様に見える」というのが実際でしょう。

さて実際の交番勤務と言えば、落とし物の預かりから、酔っ払いの保護、パトロールに出れば不審者に対して職務質問をすることもありますし、交通違反の取り締まりなども業務としてこなすことになります。

なお重大事件が発生した場合には、いち早く現場に急行することになりますから、正に警察の最前線に立つ存在と言えるでしょう。

因みに交番においては24時間勤務が原則であり、前日の10時に勤務が開始されると、終了は翌日の朝10時ということになります。

そして当直明けは24時間非番となりますが、仕事こそしていないものの非番も勤務の内ですから、休日の様に遊びに行くわけにはいかないのです。

但し、週に2日は完全な休日がありますし、勤務中も仮眠時間が与えられますから、慣れてしまえばそれ程厳しい労働環境ではないようですが、重大事件が発生した際などには非番や休日返上も珍しくありません。

一方、国家公務員試験に合格したキャリア組については、警部補からのスタートとなりますので、当然ながら新人でも交番勤務などはありません。

しかし、現場のことを何も知らないのでは使い物になりませんから、まずは地方警察の管理職としての仕事を経験させられることになりますが、現場で汗水を流して働く様なことはないようです。

スポンサーリンク

 

警察官とは?まとめ

さてここまで、警察官という職業の概要についてお話をして参りました。

交通違反で取り締まりを受けた場合などは、「何を!」という気持ちにもなりますが、その業務内容や立場を詳しく調べてみると、実に苦労の多い仕事であることがご理解頂けるはずです。

弁護士や検察官、裁判官も同様ですが、強い使命感と正義感がなければ出来ない仕事であると思いますので、警察官と接する際には敬意を持って臨みたいものです。

ではこれにて、「警察官とは?仕事内容や階級、組織等について解説致します!」の知恵袋を閉じさせて頂きたいと思います。

 

スポンサーリンク