離婚手続きの流れ

 

これまで、赤の他人同士であったカップルが家族となり、新たな家庭を築いて行く素晴らしいイベントが結婚ですよね。

二人が結ばれ、子供が生まれて、ここから新たな家族の歴史が刻まれて行くことを考えると、結婚は正に人生最大の山場とも言える儀式でしょう。

しかしながら、もし結ばれた相手が自分にとってベストなパートナーではない場合や、結婚後に二人の信頼関係が揺らいでしまったら、これを我慢しながら暮らしていくのは、非常に辛い毎日となるはずです。

そして、こうしたカップルが最後に行う選択が「離婚」となりますから、こちらも結婚と並んで人生の重大な分岐点ということが出来ますよね。

現在では離婚する夫婦の数も増え、周囲から特別な目で見られることも少なくなりましたが、やはりマイナスのイベントということで、その手続きの流れ等については、あまり詳しく取り上がられないのが通常です。

そこで本日は、「離婚手続きの流れを解説致します!」と題して、結婚に次ぐ人生の大イベントの詳細について解説してみたいと思います。

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協議離婚

一言で離婚といっても、その結果に至るまでの道程には数々の分かれ道が存在しているもの。

その流れを大きく分類するならば、「協議離婚」、「調停・審判による離婚」、「裁判による離婚」の3種となります。

そこでまずは、最も穏便に行える協議離婚から、解説を始めさせて頂きたいと思います。

協議離婚とは、その名の通り「夫婦が互いに協議して、離婚という結論に達する形態」を指す言葉です。

もちろん双方納得の上とは言っても、慰謝料や財産分与、養育費などについてはしっかりと取り決めをする必要があるでしょうから、それなりのパワーは必要となるでしょう。

但し、こうした条件さえ決まれば、後は離婚届を提出するのみとなりますから、手続き上は「最も簡単で、穏便な方法」と言えます。

なお、この様にお話すると「離婚届を書いて終わり!」とお思いになられるかもしれませんが、離婚届の提出にはそれなりのルールがありますから、この点には注意が必要です。

まず離婚届は、夫婦それぞれが自署捺印したもののみが有効となりますから、夫婦どちらかが一人で作成したものは無効となります。

印鑑については実印を押す必要はありませんし、郵送しても代理人が提出しても提出は可能ですが、夫婦以外の成人二名が証人として証明捺印を行う必要があるでしょう。(証人は成人あれば誰でも良く、親族である必要はない)

ただ、ここで注意したいのが、離婚届は役所に持ち込んだだけでは効力がなく、「受理」されて初めて有効になるという点です。

よって、仮に喧嘩した勢いで署名・捺印をして、相手に渡してしまっても、後から役所に対して「離婚届の不受理申請」を行えば、仮に離婚届を役所に持ち込まれても、受理を阻止することが出来ます。

また、書類の不備で不受理となることの多い理由としては、「子供が居るにも係らず、親権者を記載する欄が未記入」、「本籍地以外の役所に提出際には戸籍謄本が必要だが、その添付がない」などのケースが多い模様。

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調停・審判による離婚

さて、協議離婚に関する流れは前項にてご理解頂けたことと思いますが、もし話し合いで解決が不可能な時は、家庭裁判所で調停を行うことになります。

調停に持ち込まれるケースとしては、「一方が離婚したいのに、相手が承諾しない」というケースもあるでしょうが、「離婚は合意しているが、慰謝料や財産分与の内容で争いがある」というケースも多い様です。

そんな際は、調停を申し立てる側が、相手の所在地を管轄する家庭裁判所に調停の申立てをすることになりますが、あまりに遠方の裁判所となってしまう場合などは、両者の合意でその他の地域にある裁判所で調停を行うことも可能。

家庭裁判所のシステムについては、過去記事「家庭裁判所とは?という疑問に答えます!」で詳しく解説していますが、『調停前置主義』という考えに基づき、裁判を行う前に必ず調停を行うルールとなっています。

調停では調停委員と裁判官がそれぞれに事情を聴いた上で、合意に向けた話し合いが持たれますが、当事者同士が顔を合わせるとトラブルになる可能性も高いので、別室にて意見を聞くなどの配慮がなされるのが通常。

調停期間はケースによりますが、最長でも半年程度で決着が付くことが多いようです。(調停が不調に終る場合も含め)

なお、調停へは原則本人が足を運ぶ必要がありますが、弁護士などを代理人にして勧めることも可能。(但し合意成立などの局面では、本人の参加が必要)

また調停への呼出しに対して、特別な理由もないのに出席を拒めば、過料等の制裁を受けることになります。

こうして調停を行った結果、合意に至れば無事に問題は解決となりますが、不調に終わった場合にはいよいよ裁判ということになるでしょう。

因みに家庭裁判所は裁判官が相当と認めれば、離婚に対して「審判」という判断を下すことも出来ます。

但し、当事者たちの一方が審判の内容に納得出来ない場合は、二週間以内に異議を申し立てることで、こちらも裁判へ移行することになるのです。

 

裁判による離婚

そして、調停でも審判でも離婚問題が解決出来ない時は、いよいよ裁判という局面を迎えます。

離婚を求めて裁判を起こし、ここで勝訴すれば「離婚する」という判決が貰えますが、敗訴すれば「離婚は出来ない」ということになる訳ですから、訴える側にとってもかなりリスキーな展開となるはずです。

また訴訟となる以上、裁判官も離婚に相当する「法的な根拠」を求めて来ますから、「相手が気に食わない」などの理由では勝訴を勝ち取るのは困難でしょう。

よって裁判となる場合には、弁護士を代理人とした戦略的な攻防を行う必要があるのです。

なお、裁判となったからといって、必ず判決が出るまで争う必要はなく、裁判の途中で裁判官から「和解」を進められることもあるでしょうし、裁判の流れの中で相手が争うのを断念する(認諾)ことも少なくありません。

しかしながら、どちらも折れずに裁判が進むと、判決により決着を付けることとなる訳です。

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離婚手続きまとめ

さてここまで、「協議離婚」「調停・審判による離婚」「裁判による離婚」という3パターンに分けて、その流れを解説して参りました。

記事をお読みになられて、「こんなに大変なのか!」と驚かれた方も多いかと思いますが、これが離婚の現実となります。

また、裁判の結果に納得が行かず、高等裁判所に控訴した場合などは、更に時間と労力、そして費用を掛けて争うこととなりますから、「離婚には結婚の数倍のパワーが必要」と言われるのも頷けますよね。

ただ、「ここまでしてでも離婚したい」というのであれば、それは本人にとっては間違いなく『正しい選択』と言えるはずですから、迷うことなく突き進むべきでしょう。

ではこれにて、「離婚手続きの流れを解説致します!」の記事を締め括らせて頂きたいと思います。

 

 

参考文献

自由国民社編(2015)『夫婦親子男女の法律知識』自由国民社 472pp ISBN978-4-426-12069-6

 

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