自動車を運転する際に最も気を配るべきことと言えば、それは「安全運転」を置いて他にないでしょう。
そして安全運転を実現する最も確実な方法が、「交通ルールを遵守すること」と言われています。
しかしながら、仕事で毎日の様に車を走らせていたりすると、ついつい気が緩んでしまいがちになりますし、約束の時間に遅れそうな場合には、思わずアクセルを踏む力も強くなるものです。
そこで本日は「交通違反の点数や罰金の法律問答!」と題して、交通ルールを破った際に受けるペナルティー等について解説してみたいと思います。
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交通違反の点数制度
交通違反のペナルティーについて解説するにあたって、まず知っておくべきなのが、日本の違反制度は点数制が採られているという点です。
運転免許をお持ちの方でしたら、殆どの方が点数制であること自体はご存じでしょうが、この制度の細かな概要については「良く理解していない」という方も多いことでしょう。
そこでまず抑えておきたいのが、この制度は減点法ではなく、加点法で点数の計算がなされているという点です。
交通違反で捕まった方の口からは「2点減点された・・・」なんて台詞を耳にしますが、実は『2点加点された・・・』という表現が正解となります。
なお、これまで特に違反をした経験がない方については、この加点が6点になるまでは、免許停止などの処分を受けることはありません。
これに対して、一度の違反で6点加点となれば免許停止30日、9点に達すれば免許停止60日、12点なら90日、15点オーバーで免許取消という事態に陥ってしまうのです。(複数の違反を積み重ねた場合も同様)
また免許停止処分を受けた後は「前歴1回」との扱いを受けることとなり、累積点は0に戻るものの、30日の免許停止が4点、60日が6点、8点で90日といった具体に、前歴なしと比べると遥かに厳しい基準で罰を受けることになります。
因みに前歴は2回、3回と重ねて行くたびに、免許停止の点数ラインが更に厳しくなりますから、違反をしてしまった際にはしっかりと身を引き締めるべきです。
加点の救済制度
前項にて違反点の累積や、前歴の積み重ねによって、様々なペナルティーが科せられていく旨をお話致しましたが、一定期間事故や違反をしなかった者には救済制度も用意されています。
それは1年間、無事故無違反を貫いた場合、全ての累積や前歴が消えるという非常にありがたいものとです。
また、2年以上無事故無違反を続けている者は優良ドライバーとの認定を受けることになり、3点以下の軽い違反行為は僅か3ヶ月間でリセットされます。(0点に戻る)
各違反の点数
ではここで、代表的な違反行為の加点点数を示しておきましょう。
- シートベルト不着用/1点
- 携帯電話使用等/1点
- 安全地帯への侵入/2点
- (放置)駐車違反/2点(状況により3点の場合も)
- 一時停止違反2/点
- 横断歩行者妨害/2点
- 信号無視/2点
- スピード違反(25キロ以上30未満)/3点
- スピード違反(30キロ以上50未満)/6点
- 酒気帯び運転/13点(酒量によって25点の場合も)
- 無免許運転/19点
- 集団暴走/25点
- 酒酔い運転/35点
交通反則通告制度
交通違反で捕まった方々の中には「罰金払わされたちゃったよ・・・」なんて言い方をされる人も多いかと思いますが、前項でご説明した3点以下の違反で科せられるのは原則「反則金」と呼ばれるもので、罰金とは別物です。
本来、交通違反は道路交通法という法律を破る行為となりますから、通常であれば検察官が違反者を起訴するか否かの判断を下し、起訴が決まれば刑事裁判を受けることとなります。
しかしながら、運転中に携帯電話をいじったくらいで、いちいち検察官が「起訴・不起訴」の判断をしていたのでは、日本の司法システムがパンクしてしまうでしょう。
そこで設けられたのが交通反則通告制度というもので、簡単に言えば「反則金さえ払ってくれれば、検察にも送らないし、裁判も受けなくて良いよ」というシステムなのです。
なお、反則金の支払いは行政処分という扱いになりますから、罰金とは異なり、前科として扱われることはありません。
但し、4点以上の重大な交通違反に対しては、しっかりと法の裁きを受けてもらわねばなりませんから、3点以下の違反で切られる青切符(正式名称は「交通反則告知書」)ではなく、赤切符(正式名称は「告知書」)が渡され、検察によって起訴すべきかの判断がなされることになります。
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青切符(3点以下)の検挙後の流れ
では続いて、交通違反で警察の取り締まりを受けた後に、どの様なイベントが待っているかについて解説して参りましょう。
但し、前項でもお話した通り、青切符と赤切符では処遇が大きく変わりますので、まずは青切符のケースから見て行くことにします。
前述の通り、交通反則通告制度によって3点以下の交通違反は青切符を切られ、反則金を納付することで罰則は終了です。
※もちろん、累積があれば免許停止などの処分を受けることにはなりますが。
ただ、取り締まりに納得が行かないず、反則金の支払いを拒否したり、青切符の署名欄への記入を拒絶した場合には、事件が検察に送致されて、後日出頭を要請されることになるでしょう。
因みに青切符の軽微な違反行為については、起訴されず裁判を回避出来ることも多いですから、ここで不起訴となれば反則金の支払も免除されることになるのです。
これに対して、「起訴されてしまった場合」については裁判となってしまいますから、ここで有罪判決を受ければ、道路交通法に基づいた罰金などの刑(刑事罰)が言い渡され、前科が付くこととなりますから、
「どうせ起訴されないだろう・・・」なんてタカを括っていると痛い目に遭うこともあるでしょう。
なお、起訴や裁判に関する詳細については次項でご説明しますので、詳しく知りたい方はそちらをご参照下さい。
赤切符(4点以下)の検挙後の流れ
一方、一般道で30キロ以上のスピード違反などの重大な交通違反をしてしまった場合には、赤切符を切られることになります。
そしてこのケースでは、交通反則通告制度の適応を受けることが出来ませんから、確実に検察へと送致されることになるでしょう。
なお、重大な人身事故や逃亡の恐れがある場合には、身柄を確保されることになりますが、そうで無い場合には後日検察へ出頭するのが通常です。
検察へ出頭後は、ここで改めて取り調べを受けることになりますが、重要なのは「罪を認めるか、否か」という点になります。
もし罪を認めている場合には、有罪ありきで簡略化した手続きとなる「即決裁判(簡易裁判所が管轄)」を受けることになりますが、無罪を主張しているケースでは通常の裁判へ進むこととなるでしょう。(この点は青切符で反則金を支払わず、検索に送られた場合も同様)
但し、問われている罪が100万円以下の罰金など、比較的軽微なものである場合には、通常の裁判よりも時間が掛からない「略式手続」となるのが通常です。
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交通違反の点数や罰金の法律問答まとめ
さてここまで、交通違反で検挙されてしまった場合の罰則などについて解説を行って参りました。
運転中の携帯電話の使用などで切符を切られた際には、「運がないな・・・」なんて思ってしまうものですが、もし交通反則通告制度がなければ、確実に検察に送られるべき行為ということになる訳ですから、ここはしっかりと身を引き締めてハンドルを握るべきでしょう。
また、「自分は違反をしていない!」なんて場合でも、『警察には逆らうだけ無駄・・・』『反則金を納めれば済むのだから・・・』と泣き寝入りをしていた方が多いと思いますが、
こうしたケースでも、裁判という救済制度が用意されている訳ですから、これを利用しない手はありませんよね。
交通ルールはしっかりと守った上で、納得の行かない検挙には徹底抗戦する勇気がドライバーには必要なのではないでしょうか。
ではこれにて、「交通違反の点数や罰金の法律問答!」の記事を締め括らせて頂きたいと思います。
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