診断書偽造

 

人間誰しも「楽をしたい!」と考えるものです。

例え学生の身分であっても「今日は学校に行きたくない」と思うことは多いはずですし、日々強烈なストレスに苛まれている社会人ともなれば、その欲求は更に強くなるはず。

但し会社を休むとなれば、それなりの理由が必要となって来るでしょうし、思わず「仮病を使ってしまおうか?」なんて誘惑に駆られることもありますよね。

もちろん会社によっては「朝から体調が悪くて・・・」と一本電話を入れるだけで休める場合もあるでしょうが、時には「診断書を提出しろ!」なんて言われてしまうこともあるようです。

テレビの報道番組などを見ていると、問題を起こした政治家や芸能人が、絶妙なタイミングで体調を崩して入院している姿を見掛けることがありますが、果たして医師に頼むことで偽りの診断書を作ってもらうことが出来るのでしょうか。

また、「万が一偽造がバレた際には、一体どんなペナルティーを受けるこのなるのか?」など、気になる疑問が一杯ですよね。

そこで本日は「診断書偽造の法律問答をお届けします!」と題して、誰もが一度は手に入れてみたくなる偽りの診断書に関する法律知識をお届けしたいと思います。

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診断書を偽造した医師の処分

冒頭でもお話した通り「診断書を偽造する」という行為を思い立った際、まず頭に浮かぶのが『医師に事実とは異なる内容の診断書を書いてもらうことが出来ないのか?』という疑問ですよね。

今の時代、インターネットを開けばどんな情報でも検索することの出来る世の中から、自分で適当な病院名をでっち上げて偽の診断書を作成するという猛者はまずおられないでしょうし、

後々嘘がバレた場合を考えると、公文書偽造や私文書偽造などの罪に処せられる可能性もありそういですから、出来ることならば医師の協力の下に偽の診断書を作りたいところでしょう。

しかしながら、例え診断書を偽造するのが医師であっても、罪に問われないなんてことはありません。

まず偽造を行った医師が問われる可能性があるのが、医師法という法律に関する違反行為です。

医師法4条では医師として行ってはならない行為を規定しており、その中には診断書の偽造といった不正行為も含まれると解釈されています。

そしてこれに違反した場合には、3年以下の業務停止や免許取り消しといった重い罰が規定されています。

また、診断さえせずに偽りの診断書を作成した場合には、医師法20条の違反行為となり、50万円以下の罰金に処せられるのです。

なお医師法以外にも、診断書を偽造した医師を罰する法は存在します。

それは刑法160条に定められた虚偽診断書等作成罪という犯罪で、こちらの場合は3年以下の禁錮、または30万円以下の罰金ということになりますから、刑務所に送られる可能性も出てくるのです。

心療内科などを受診した場合には、医師が「そんなに重度ではないけど、鬱病っていう診断書を書いておこうか?」なんて提案をして来ることもある様ですが、実はお医者さんもなかなかのリスクを負いながら業務を行っておられる模様。

ただ精神的な病であればともかく、内臓疾患など具体的な証拠が残る様な病気に対して、偽りの診断書を作成することは非常にハードルが高くなるはずですから、これに協力してくれる医師はまず見付からないでしょう。

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偽造診断書を悪用した場合の罪

前項にて、医師に診断書を偽造して貰うのは非常に難しい旨をご説明致しましたが、本項では「仮に偽造した診断書入手し、これを悪用したどうなるか?」という点について解説して参りましょう。

 

会社をズル休み

まずは会社に対してということになりますが、結論から申し上げれば、ズル休みするのに偽の診断書を提出し、これがバレたとしても通常は逮捕される様なことにはなりません。

但し休んだことで、会社に大きな損害を与えた様な場合には、損害賠償を求める民事訴訟を起こされる可能性があります。

またそれ以前に、社則などでも公序良俗に反する行為は禁止されているはずですから、それなりの制裁は受けるはずですし、会社内にこの事実が知れ渡れば、別の意味で社会的なペナルティーを負わされるはずです。

なお、診断書を自身で偽造した場合については、会社が刑事告訴を行うことにより、私文書偽造(私立病院の診断書を偽造、3月以上5年以下の懲役)、または公文書偽造(公立病院の診断書を偽造、1年以上10年以下の懲役)の罪に問われる可能性があります。

 

生活保護費不正受給・保険金詐欺

会社をズル休みする以外にも、偽造診断書の使い道はまだまだあります。

例えば近年問題となっている生活保護費などは、自分が重病を患っていることが証明出来れば、苦労なく給付を受けられるでしょう。

また、生命保険に加入しているならば、病気になったと偽って保険金を請求することも出来るはずです。

但し、これらの行為は立派な犯罪となりますから、事実が明るみ出た場合には、厳しい罰を受けることを覚悟しなければなりません。

生活保護費の不正受給の場合については、生活保護法85条により3年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処せられる可能性がありますし、悪質な場合には刑法246条の詐欺罪にて公訴を受けて10年以下の懲役となる可能性もあります。

なお保険金詐欺に関しても、詐欺罪による逮捕はもちろんのこと、民事訴訟にて損害賠償の請求を受けることは間違いないでしょう。

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診断書偽造まとめ

さてここまで、診断書の偽造を巡る法律問題の解説を行って参りました。

「会社をズル休みしたい」という小さな欲望からお話がスタートしたのに、果ては生活保護費不正受給や保険金詐欺と、少々飛躍し過ぎな感もありますが、どんな凶悪犯罪も最初は非常に小さな切っ掛けからスタートすることが多い様ですから、気を引き締めて日々の生活に臨んで頂ければと思います。

また今回のお話は、「これくらいなら問題ないのでは?」という行為が、『実はとんでもない犯罪に繋がって行く可能性がある』という意味でも、教訓になったのではないでしょうか。

何か物事を行おうとする時には、自分だけの感覚に頼らず、常に第三者的視線を己に向けることが大切なのではないかと思います。

ではこれにて、「診断書偽造の法律問答をお届け致します!」の記事を締め括らせて頂きます。

 

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