チカン冤罪

 

通勤や通学にと、多く方が利用しているのが「電車」という交通機関です。

大人数を短時間で目的地まで運ぶことが可能であり、料金もリーズナブルという非常に魅力的なこの乗り物ですが、近年その車内では多くのチカン冤罪トラブルが発生していると聞きます。

そこで本日は「チカン冤罪から逃れる方法を解説!」と題して、電車の車内でチカンに間違われた際の対処法を考えて行きたいと思います。

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チカンはどんな罪になる

「満員電車での身動きの出来ない状況を利用して、女性の身体に触れる」というチカン行為は、非常に卑劣で忌むべき犯罪であることは間違いありません。

しかしながら、こうした犯罪を行う一部の異常者に「自分が間違えられる」というのは、男性として耐え難い屈辱です。

また、一旦チカンというレッテルを貼られてしまえば、例え後に無実が証明されても、会社やご近所、そして家族との関係にも大きな影響を受けることは間違いありません。

そうとなれば、何としても自分に降り懸かって来るチカン冤罪を回避する必要が出て来る訳ですが、まずは「チカンがどんな罪に問われるか」という点から学んで行きましょう。

チカン行為を行った者の多くが問われることになるのが、各都道府県が定める「迷惑防止条例」に違反した罪となります。

条例というと「罰則も軽い」という印象を受けるかもしれませんが、地域によって内容に若干の差はあるものの、高額な罰金に加え懲役刑まで用意されているケースが殆どですから、決して甘く見ることは出来ません。

なお、単に被害者の身体に触れた程度であれば、迷惑防止条例の適応で済みますが、相手を脅す台詞を吐いたり、刃物をチラつかせた場合などには「強制わいせつ罪(6ヶ月以上10年以下の懲役)」に問われる可能性だってあるのです。

もちろん、チカンは卑劣な犯罪ですから、重い刑に処せられるのは当然でしょうが、これが冤罪となれば一人の人間の人生を徹底的に破壊してしまうことにもなりかねません。

 

逃げ出すのは本当に得策か?

では具体的に、電車の車内で自分がチカンに間違われた時には、どんな対応を執れば良いのでしょう。

ここでまず問題となるのが、「逃げるか?」「その場に留まるか?」という選択です。

既にチカン冤罪の問題は、多くのメディアでも取り上げられ、社会問題にもなっている事項ですから、弁護士や元警官など「その道のプロたち」が様々な持論を展開しています。

しかしながら、そんな専門家をしても「逃げるか、留まるか」については、真っ二つに意見が分かれているのです。

一見すると「逃げる」という選択肢は、『有り得ない対応』という気もして来ますが、電車から降ろされ、駅員室などに連行された場合には、

そのまま到着した警察官に引き渡され、10日以上にも及ぶ勾留を受ける可能性があります。(逮捕に関する詳細は別記事「逮捕されたらどうなる?気になるその後を解説!」をご参照下さい)

もちろんその後、起訴されなければ晴れて釈放となりますが、ここで身柄を拘束されてしまうと会社や家族には大変な迷惑を掛けることとなりますし、場合によってはマスコミに報道される可能性だって出て来るでしょう。

これでは身の潔白が証明されても、会社には居辛くなりますし、世間からの風評被害は避けることが出来ませんよね。

そこで登場して来るのが「逃げる」という選択であり、『その場を一旦離れて、後日証拠を揃えた上で、弁護士と共に警察に出頭する』というのが、逃げるプランの着地点となります。

こうした理屈を聞けば、確かに逃げるというのも一つの方法であるようには思えますが、実は多くのリスクも存在しているのです。

以下に「逃げるプランの危険性」を挙げてみましょう。

  • 逃げたことにより、裁判時の心証が悪くなる
  • その場で取り押さえられた場合、更に立場が悪化する
  • 逃げた際に、他人を転倒させるなどのリスクがある
  • 線路に降りる、開札を飛び越えるなど他の罪に問われる可能性がある

この様に追手から逃げ切るだけでも、かなりのリスクを負うことになる訳です。(詳細は別記事「電車の法律知識をお届け致します!」をご参照下さい)

よって筆者としては「逃げるプラン」よりも、その場に留まるプランをおすすめしたいと思いますので、次項ではこの視点に立ってチカン冤罪の対処法をご紹介して行きたいと思います。

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チカンに間違われた際の対処法をご紹介!

「この人チカンです!」と、電車から降ろされた時点から、お話を初めて行きましょう。

 

自身の潔白を訴え、相手の言い分を聞く

「チカンです!」とホームに引きずり出されたなら、まずは『私はやっていない!』と自分の主張を明確にすることが大切です。

そして、逃げる意識は無いことを告げ、駅員の到着を待ちましょう。

またこの間を利用して、相手が「どんな状況で、何処を触られた」と訴えているのかを整理しておきます。

 

証拠の保全

駅員が到着したところで、次は証拠の保全に全力を傾けましょう。(但し、駅員室への同行は断固拒否し、ホームに居座り続けます)

そして最初に行うべきは、自分に残された潔白の証を守り抜くことです。

現代の科学調査の技術はかなりの水準に達していますから、DNA鑑定を行えば「相手の皮膚に触った痕跡が、自分の手にあるか否か」を判定出来ます。

また、相手の身体を服の上から触った場合でも、手や指には服の繊維片が付着しているはずですから、こちらも証拠として認められるのです。

そこでまずは手術前の医師のように両手を上げて、『警察を呼び、DNAを要求する旨』と『事件後、自分は何も触っていない旨』を宣言しましょう。

なお、DNA鑑定は被害者の皮膚や衣服からも可能ですので、「触られた」と訴える部分に一切手を触れないように指示を出します。

更には周辺の人々に声を掛け、事件の目撃者や証人となってくれそうな人が居ないかを確認しつつ、警察の到着を待ちましょう。

 

弁護士への連絡や身分の証明

また、警察の到着を待つまでの間も、ボッとしている訳には行きません。

この時間を利用して顧問弁護士などに連絡を入れます。

証拠保全のため、自分でスマホに触れることは出来ませんので、駅員などにスマホを取り出してもらい、連絡を取ってもらうのが良いでしょう。

但し時間帯によっては弁護士が外出している可能性もありますから、少なくとも二人分の弁護士の連絡先はスマホの電話帳に入れておきたいところです。

こんなお話をすると、「そんなに弁護士の知り合いは居ない!」と言われてしまいそうですが、今は緊急事態ですから「仕事で顔を合わせたことがある」程度の知り合いでも、連絡してみる価値はあります。

なお、「全く弁護士に当てがない」という方は、休日を利用して無料法律相談会などに顔を出し、弁護士のツテを作っておくのが良いでしょう。

因みにこの段階で、自分の身分も証明しておきましょう。

先程も申し上げましたが、手で物に触れることが出来ない状況ですから、駅員に指示を出し、ポケットやカバンから身分証を取り出してもらいます。

 

出来る限りの抗弁をしておく

この段階でまだ、警察の到着まで時間があるようなら、相手に出来る限りの抗弁をしておきたいところです。

自分がどんな体勢で電車に乗っており、相手の身体を触れる状況ではなかったこと等を、自信を持って説明して行きます。

ここで上手く相手を納得させることが出来れば、トラブルが解決する可能性もありますから、決して感情的にならず、冷静に柔らかくお話しましょう。

また、相手の受け答えをしっかりと記憶し、「証言の内容に矛盾点などがないかい」等のチェックも同時に行います。

なお相手が故意に貴方を陥れようとしている可能性もありますから、疑問点があれば、その場でツッコミを入れるべきです。

 

警察の到着

そして警察が到着したなら、改めてDNA鑑定を要求する旨を伝え、駅員に「自分の手や相手の衣服が誰にも触れられていない」ことの証人となってもらえるようにお願いしましょう。

本来であれば、弁護士同行で警察に向かうのがベストですが、この段階で弁護士が到着していなければ、DNA鑑定を優先し、警察の指示に従うのがベストです。

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チカン冤罪まとめ

さてここまで、自分がチカンに間違われてしまった際の対処方法についてお話して参りました。

今回の方法を実践すれば、身柄は少々拘束されてしまいますが、確実に無実を立証出来るはずです。

なお、チカン冤罪対策の最も有効な手段は「間違われない様に全力を尽くすこと」であるのも間違いありません。

混み合った車内では、出来るだけ両手を挙げておく、カバンは肩掛けにするなどの努力を怠らないようにしましょう。

ではこれにて、「チカン冤罪から逃れる方法を解説!」の記事を締め括らせて頂きます。

 

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